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各界の声

2025万博を契機とした大阪・関西の更なる発展に向けて

吉田 光市 氏

阪神高速道路株式会社 代表取締役社長

 2025大阪・関西万博の開幕までいよいよあと半年となりました。国際社会の対立・分断や地球環境問題が深刻化する中にあって、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマの下、歴史と文化溢れるこの大阪・関西の地から全世界に力強いメッセージを発信することが出来たらすばらしいことと思います。
 1970年万博に向けた道路網整備を目的として設立された阪神高速道路公団を前身とする当社としても、今万博の成功に向けて、①万博会場への駅シャトルバスのアクセスルートとして利用される淀川左岸線二期区間の整備、万博P&R駐車場におけるETC情報を活用したダイナミックプライシングの導入等円滑な来場者輸送対策の推進、②PAでの多言語・ピクトグラムによる案内表示やハラルメニューの提供等多様なお客様サービスの展開、③長大橋ライトアップ等地域の賑わいの創出に取り組んでまいります。
 加えて、今万博を契機として、大阪・関西の更なる発展に不可欠なレガシーを次世代にしっかりと残したいと思っています。一つは、新たなネットワークの整備です。淀川左岸線二期・延伸部、大阪湾岸道路西伸部、名神湾岸連絡線など関西の多様な都市や空港・港湾等を広域的に連絡し、「多様でありながら一つ」の関西の形成、その更なる発展に不可欠なこれらの整備促進に弾みをつけたいと考えています。二つ目は、リニューアルの推進です。前回万博の前後に整備されたネットワークも半世紀が経過する中で老朽化が進んでいます。14号松原線喜連瓜破地区などで大規模な修繕、更新事業を行ってきています。皆さんには大変なご迷惑をおかけしておりますが、我々の時代でしっかりと必要な手を加えてサステナブルなネットワークとして次世代に引き継いでまいります。三つ目は、新たなモビリティ社会への挑戦です。自動運転、EV、MaaS等交通の分野でも大きな変革が進む中で、自動運転(レベル4)の駅シャトルバスに対するインフラ側からの「合流支援情報」・「先読み情報」の提供、都市型MaaSの実現に向けたデジタルツイン技術の活用によるリアルタイム交通予測・提供等にチャレンジして参ります。これらは、未来のモビリティ分野におけるCo―welbeingの実現に資するものと考えています。
 最後に、バーチャル会場への出展準備を進めています。「古代から現代までサステナブルな発展を遂げてきた大阪・関西の歴史と魅力、それを支えた交通の役割と未来像」をVR映像化するものです。未来を担う若手社員を中心に検討してもらっており、私自身、今からとても楽しみにしているところです。

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