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各界の声

大阪・関西万博を契機とした 関西地域の活性化

信谷 和重 氏

経済産業省 近畿経済産業局長

1.万博に向けた地域の課題

 2025 年 4 月 13 日の開催まで約 500 日と迫ってきた大阪・関西万博は、世界中が注目する国際イベントであり、約 2,820 万人、うち海外から約 350 万人の来訪が期待されています。国内外からの多くの来訪者が、万博会場のみならず、各地の産業や文化に触れ、地域毎の素晴らしさを感じていただく絶好の機会になるでしょう。
 万博に向け各地域では、関係者や近隣地域が連携し、その地域の特徴や強みを活かしたツアー・コンテンツを開発するとともに、来訪者が快適に過ごせる受入体制を整備し、万博開催後も「再び訪れたい。」という恒常的な誘客の仕掛け作りを行うことが重要です。
 また、国内外の地域と地域が、人と人とが、新たな交流を行い、地元の誇りの対外認知度の向上に加え、地域の活性化やシビック・プライドの向上につなげることも求められています。

2.地域の取組事例の紹介

 近畿経済産業局では、万博の開催を契機に、関西各地域の活性化につながるよう、万博をいかに活用するかについて説明するとともに、関西の府県や市町村と情報交換をしてきました。
 また、今後の各地域での取組のご参考となるよう、万博に向けて地域の活性化に取り組まれている市町村や商工会議所、観光協会等の先進的なモデル事例を『360°EXPO 拡張マップ』としてとりまとめ WEB サイトに掲載するとともに、各種の機会を通じ広報しております。

3.産業体験観光の推進

 素材、部品加工から最先端製品まで幅広い集積を持つ関西の産業を、万博に合わせて訪れられる方に実感いただくとともに、将来のビジネス交流につながるよう、当局では産業体験観光の推進に特に力を入れています。
 たとえば、産業・企業について学び、体験し、交流できる、約 400 の産業関連施設を「関西の見学可能な産業施設」として WEB サイトで情報発信しており、万博に向け、海外の方にも活用されやすいよう検索性を高めていきます。
 また、富裕層による消費額の増大を図るため、東南アジアの旅行会社に対して、産業施設や地域ブランド等のツアー・コンテンツ情報や商品化ノウハウ等を教授する研修(現地セミナー・訪日研修)を実施しています。

4.地域一体型オープンファクトリーの推進

 当局では、ものづくり中小企業や工芸品産地が集積する地域において、地域産品やものづくり現場を一体的に見せていく「地域一体型オープンファクトリー」を強力に推進しています。
 関西・全国の各地域と連携し、より多くの方がオープンファクトリーを実施される地域を訪問し、ものづくり企業の技術に触れることができ、経営者や技術者との交流を深め、ビジネスチャンスにつながるよう、ガイドマップや実施カレンダーを整備するなど、大阪・関西万博の「プラスワン」として可視化していくことを目指しています。

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