村田 有 氏
国土交通省 大阪航空局長
まず、能登半島地震により、お亡くなりになられた方々及びそのご家族に対し、心からお悔やみを申し上げるとともに全ての被災された皆様に、心からお見舞いを申し上げます。また、羽田空港の衝突事故で亡くなられた海上保安庁の乗員とそのご家族に心からお悔やみ申し上げます。
大阪勤務は 2 度目となります。前回は 2018年 7 月から 2 年間、新関西国際空港㈱に勤務しました。着任当初は、大きなスーツケースで埋め尽くされた南海線で通勤し、大阪の街も外国人旅行者で溢れておりました。それから約 5年が経過し、昨年の 12 月の国際線旅客便の発着回数は、コロナ禍前の 2019 年の同月比で、76%、旅客数で 90.3%まで回復し、とりわけ外国人旅客数では 110.2%となっております。また、発着回数では韓国便が一番多く 33%を占めており、中国便は 22%とコロナ禍前の状況とは異なっておりますが、大阪の街も賑わいを取り戻しました。(出典:関西エアポート㈱プレス資料)
そのような状況の中、2025 年大阪・関西万博に向けて、関西国際空港の容量拡張について検討されております。具体的には、2022 年 9 月の「第 12 回関西 3 空港懇談会の取りまとめ」において、①成長目標として、2030 年代前半を目途に、年間発着回数 30万回の実現を目指す。② 2025 年万博に向けた万全受入れ体制を整えるとともに、年間発着回数 30 万回の実現に必要な能力を確保するため、2025 年万博までに、1 時間あたりの処理能力を概ね 60 回を目指すこととし、国に対し、現行の飛行経路を見直すよう要請されております。
その要請に対し、「関西空域における飛行経路技術検討委員会」において検討がなされ、その結果を航空局から 2023 年 6 月の第 13回関西 3 空港懇談会に報告されました。その上で、大阪府・兵庫県・和歌山県の共同による「新飛行経路案に係る環境検証委員会」が設置され、客観的・科学的な見地から、環境面への影響など必要な検討がなされております。
大阪航空局としては、現行の飛行経路が見直された場合には、関西空港事務所の管制官に対する慣熟訓練を実施する等安全で円滑な航空交通の実現を図って参ります。