石井 靖男 氏
国土交通省 大阪航空局長
昨年7月に大阪航空局長として着任しました。これまでは、航空機運航の安全監督や危機管理対応など、現場を重視しながら航空行政に携わってきました。大阪での勤務は初めてですが、関西地域の活力や文化に触れる中で、空港が地域社会や経済に果たす役割の大きさを改めて実感しています。関西地域の皆さまと共に、大阪・関西万博の成功に向けた取り組みを進めていきます。
2025年4月に開幕する大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げ、持続可能な社会の実現を目指す国際的な交流の舞台です。この万博は、関西地域全体にとって未来を切り拓く大きな機会であり、成功に向けて、関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港の関西3空港がそれぞれの特性を活かし、地域全体の発展を支える役割を担っています。
これまで、関西3空港では万博に向けたさまざまな準備が進められてきました。関西国際空港では、ICTを活用したスマートエアポート化が進み、自動化ゲートやAI案内システムの導入に加え、保安検査におけるスマートレーンの導入が進められています。これにより、来場者が快適に移動できる環境が整備されています。また、「関西3空港懇談会」を通じて、関西3空港の役割分担が明確化され、連携が強化されています。関西国際空港は国際線の拠点として、大阪国際空港と神戸空港は国内線を基軸に、それぞれが補完し合う体制が構築されています。この連携により、輸送力の向上や災害時のリスク分散、広域的な課題への対応が可能となっています。
大阪航空局では、2025年大阪・関西万博に向けて、新たな飛行経路の運用を開始できるよう準備を進めています。この飛行経路は、ピーク時の混雑を緩和し、空港運用の効率化を実現することを目的としており、地域の皆様生活環境にも十分に配慮しながら調整を進めています。これらの取り組みを通じて、関西3空港と地域社会が一丸となり、訪れる方々が安心して移動できる環境を整えています。
大阪・関西万博は、関西がその魅力を世界に発信するまたとない機会です。この成功に向けて、関西3空港、地域社会、そしてすべての関係者が一丸となり、それぞれの立場から取り組みを進めています。共に未来を見据えながら、万博後も続く地域の発展につなげていきましょう。
大阪航空局としても、関西3空港が「未来へのゲートウェイ」としての役割を果たせるよう、地域の皆さまや関係機関と連携しながら全力で取り組んでいます。本誌をご覧の皆さまと共に歩みを進めることを楽しみにしております。